消費者心理を理解して「売りたい」を「買いたい」気持ちに変える!
最近耳にする消費者の「新コスパ意識」とはどのようなものか?
最近、小売業界においてこれまでと異なった気になる消費傾向が顕著に見られています。情報収集、ニーズの多様化によって消費者自身が進化している時代。限られた資金の中で、消費者は最大限の「賢さ」を発揮し、買い物から幸福感を得ようとしています。それが「新コスパ意識」。
以前は、できるだけ安くそれなりの品質が確保できるもの=コストパフォーマンスの良い商品、というイメージが浸透していました。しかし、現代の消費者は価格そのものよりも、その商品・サービスを通して得られる体験を重視しています。
今回は、賢い消費者の特徴を取り上げながら、彼らに選んでもらうために企業として一体どんな対策ができるのかを中心に紹介していきたいと思います。
1円も1秒も無駄にしたくないからこそ、「満足感」という体験価値を求める
最近の消費者の行動からは、1円も1秒も無駄にしたくない、という強い想いを感じます。つい最近、ニュースでスーパー内のイートインコーナーが取り上げられていました。なぜでしょうか?そこにはある答えを見つけることができます。
例えば、フライドポテト、お好み焼き、チャーハン、焼き鳥、を一度に食べたくなったとします。スーパー以外でこれらのメニューを揃えようとすると、それぞれの商品を専門で扱っている店舗に出向き、それぞれの場所で支払いをしなくてはなりませんよね。それだとお金も時間も余計にかかってしまいます・・・。
しかし、スーパーならどうでしょうか?その全てが一度に手に入ります。イートインコーナーがあれば、温かいうちにその場で食べることができ、出たゴミも持ち帰る必要がありません。食器も洗う必要がありません。このような理由からその場で食べられるコーナーに人気が集まっているわけです。
現代の消費者は商品・サービスの先にある「満足感」という体験を求めています。イートインコーナーはまさに「便利さ」や「気軽さ」という満足感を提供する場所となっています。この他にもコンビニの惣菜や弁当の売上が好調のようですが、コンビニの場合は「時短」から得られる満足感がキーワードとなります。
忙しい働き盛りの世代にとっては、手軽に栄養を採れるコンビニの惣菜は1人分の小分け包装など消費者視点で工夫をし、少しずつ色々なものを食べたい消費者にとって魅力的ですよね。
どうせお金を使うなら最大限の満足感を味わいたい
良い体験を経験したならばその人は忘れません。その為、商品・サービスから得られる「体験」は、顧客との信頼関係を構築するうえでも重要なキーワードになりえます。
百貨店低迷の中、唯一、売上を爆発的に伸ばしている「化粧品」のなぜ?
消費者心理を理解する上で外せないには「化粧品」の売上推移でしょう。
2016年の全国百貨店売上高は、36年ぶりに6兆円を割りました。17年に入ってからやや持ち直しているものの、衣料品の不振が大きな要因となり、相対的にはまだまだ盤石とは言い難い状況です。そんな中、唯一売り上げを伸ばしている商品部門が「化粧品」です。驚くことに、28.5%増と唯一伸ばしているカテゴリーです。
ここに「なぜ?」を検討する余地が多いにあります。
傾向としては、高価な化粧品の売れ行きが好調です。ドラッグストアなどで手に入る低価格の商品はプチプライスの略で「プチプラ」と呼ばれ以前は人気の高い商品でしたが、デパートの化粧品(コスメ)は「デパコス」と略され、高くても長く使えて効果が得られるものとして、最近は特に消費者からの人気を集めています。
その価格も容量50ミリリットルで1万円以上するものなど、かなり高価な商品が目立っています。高価ではありますが、デパコスを使う方が結果的に自分の求める状態により短期間で到達できるのであれば、それも「時短」や「効果」というキーワードに繋がります。
デパコスは、ただ値段が高いだけではありません。実際の商品を見てみると、容器などの見た目にもかなりこだわりがあったり、香りにもプチプラコスメには無い上品さやバリエーションがあったり、肌診断のサービスがあったり、というように個々の消費者の好みに合わせたパーソナライズされた取り組みが特徴です。
専門の販売員が常駐していることも、信頼を獲得している理由になっているのかもしれません。商品・サービスの価格よりも大切なのは、そこから得られる満足感や信頼感であることが分かります。これも「新コスパ意識」の顕著な例といえるでしょう。
SNSの拡散力はあなどれない!
売上に直接寄与している施策として欠かせないのは、SNSを活用したプロモーション、仕掛けです。
ブランディング施策の一環として、会員制交流サイト(SNS)を運営し、関係性を深める施策を実行しているるメーカーもあります。顧客接点となるSNSの交流サイトは、ただの交流にとどまらず「買いたい」気持ちを作り込むことで、共感からシェアされ潜在顧客を掘り起こす大きなシナジーとなりえます。
以前、若年層の消費傾向をこのブログで発信しましたが、最近では情報収集の際に、検索エンジンにキーワードを入力するよりも、SNSのハッシュタグ検索をメインに利用する若者が増えています。今後もよりスタンダードになること必至ですね。
Instagramなどの画像共有サービスでは、インスタ映えする写真を投稿することが、若者の間で最大の関心事となっています。彩りが綺麗なカラフルなものや、写真映えする景色など、写真を投稿する目的で行われる消費行動も目立つようになりました。
画像を投稿するために、消費者は「旅行・外食・友人との集まり」などを積極的に行う傾向にあることも、ある調査結果から明らかになっています。消費行動の根底には「お洒落な写真をアップして注目されたい」「話題の商品をいち早く手に入れておきたい」という想いも垣間見えてきますよね。
先ほどのデパコスの例を挙げれば、#デパコス #ちょっと奮発 #効果は絶大らしい #○○さんも愛用中の商品 #これで女子力アップ #お洒落さんと繋がりたい などのハッシュタグをつけて、綺麗に加工した商品の写真をアップすれば、美容・コスメに敏感なユーザーから多くの「イイね!」がつきますね。
投稿そのものだけでなく、そこに書かれたコメントや添えられたタグからも、消費者の深層心理や感情、求めている体験などが読み取れます。SNSの分析や活用は、現代の消費者の行動を掴む上で欠かせません。
消費者の行動パターンを分析すれば「賢さ」対策も可能!
限られた資金。限られた時間。このような状況で最大限の満足感を得ようとした場合、あなたならどんな買い物をしますか?
アイデアさえあれば、インスタ映えする商品の開発は可能です。どんな企業にとっても、ヒット商品を生み出すチャンスになります。企業のSNSアカウントがあれば、写真をアップすること=広告掲載(宣伝)にもなります。
最近では画像投稿の他、企業による、料理・DIY・メイクアップ・ボディメイクなどのHOW TO動画の投稿も増えてきました。SNSの拡散力を多くの企業が認知していることも読み取れます。
消費者の行動パターンの分析は、現代の賢い消費者に選ばれる商品・サービスの開発を後押ししてくれます。消費者の「求めているもの」とマッチさせ①商品②タイミング③コミュニケーション施策さえ間違わなければ、化粧品の例のようにその商品は必ず売れます!
「売りたい」を「買いたい」気持ちに変える消費者視点の施策!
消費者の行動パターンを分析すれば、売れる商品を生み出すヒントは必ず見つかります!そのためにも、顧客へのアプローチ方法を変える取り組みが必要です。
時代が変わり、意識が変わった時代において、企業の取り組みが変わらない時点でその会社には未来はありません!
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