デジタル時代の消費者をファン化させる!シームレスな購入体験の本質
デジタル時代に必要な一歩進んだブランディングの領域
現在の市場は、デジタル領域が重要な顧客接点になっています。SNSで話題になっている店に行く。その前にスマホで下調べという人も多いでしょう。店舗で購入を決めてからネットで商品を購入するなど、もはやオンラインもオフラインも情報収集の手段であり、購入する場でもあるわけです。
ブランドの価値をあげていくための主戦場は実店舗、カタログ、パッケージなどのデザインといったアナログ領域だけではなく、ECサイトやコーポレートサイトなどのデジタル領域にまでシフトしてきています。
その為、顧客との直接的なコミュニケーションが飛躍的に広がり、ブランドとの共感、共鳴が生まれやすくなった。例えばSNS上にユーザーから投稿されたコメントをきっかけにして商品を開発するといったことも珍しくなくなった昨今、ECサイトと連動しながら、ブログやFacebook、InstagramといったSNSを通じて、顧客とのコミュニケーションをとる事が欠かせなくなっています。企業が顧客とともに、商品やサービスの新しい価値を共に創っていく事ができるようになったとも言えますね。
弊社資料:メディアミックスの考え方
消費者が求めているものは何か?
ECサイトのユーザー数は爆発的に増え続けていますが、実店舗を上手く活用している消費者が存在していることも忘れてはいけません。ネットを見れば大抵の情報は手に入りますが、商品を購入する前に、リアルな体験や専門スタッフとのやりとりが必要だと感じる消費者も確実に存在します。
アパレル製品の場合は特に、実際のサイズ感を細かく知るため、試着を目的として実店舗を訪れる消費者がいるように、せっかく購入するのだから失敗はしたくない、と考える消費者は、一番良い購入方法を検討して、ECサイトと実店舗を上手に活用します。このようなデジタル時代の消費者にとって必要な情報は「分かりやすさ」と「快適な購入方法」この2点に集約されます。
分かりやすい情報提供に必要なこと
まずは「分かりやすい情報提供」について考えてみましょう。情報提供をする際、ポイントになるのは、消費者が求めている内容を分析した上で、一番心に刺さるカタチに編集させブラッシュアップさせる工程です。極端な話、個性的なおしゃれを楽しみたい方に、トレンドだからと勧めても空振りに終わります。又予算が1万円の人に3万円以上の商品を勧めても、おそらく購入してもらうことはできないでしょう。
ここで重要なのは自社のターゲットの特徴をきちんと捉える「消費者理解」です。ターゲットにとってメリットのある情報や価値ある情報を提供するためには「顧客心理」の把握が必要不可欠です。売り手のエゴは捨て、顧客目線で考えれば「選ばれるブランド」になることができます。
快適な購入方法が重要な理由
では、次に「快適な購入方法」についても考えてみましょう。現代は、デジタル技術を使ってモノやサービスを購入するチャネル、導線は多様に存在します。これからも増えていくでしょう。アプリからの注文も大分浸透してきました。中国では当たり前となっている、キャッシュレスな決済は近い将来、常識化するでしょう。
消費者のショッピング方法や情報収集の環境が飛躍的に変化しているにも関わらず、タッチポイント(顧客接点)となるWebサイトやSNS、Web広告などを通して、顧客に価値のある一貫したコンセプト、メッセージを発信できていない企業は多く存在します。
これでは、「知らない」「心に残らない」「選ばれない=買わない」に繋がってしまいます。又物流視点で、購入すれば、数時間以内あるいは数日後に自宅に届く。Amazonのよいな買い物が当たり前になっている中で「買いたい」と思った瞬間を逃す事は、小売ビジネスにとって致命傷になり得ます。今後購入方法の整備も重要課題になります。
分かりやすい情報提供ができない企業や、快適な購入方法を用意できない企業に、数年後の未来はないと言っても過言ではありません。
企業の未来を守るために必要なのは「今まで」を捨てること
国内小売企業では、担当部署ごとに作業をするという伝統的なやり方が未だに主流となっており、これが企業の成長の妨げの一因となっています。特に、プロジェクトの鍵を握る人間が「デジタル化」への意識が低い場合は厄介です。全体が見えていれば、お客様にとって必要な商品やサービスについても様々なところからアイディアが出てくるはずなのですが、個々の部署で情報が留まってしまうため、新たな「気づき」が得られません。「着眼点」と「変革」を軸として、今の消費行動を身を持って理解する必要があります。
担当制で仕事をしていると、何か新しい課題が出てきた時に「それは別の部署の仕事だからこちらは関係ない」なんて思ってしまうことはありませんか?企業の成長のためには、他力本願の姿勢を改めなくてはなりません。その企業で働く人々が一丸となって課題に向き合う必要があります。
消費者心理を知るために必要なのは顧客データの分析
顧客データを収集しようと努力している企業は多いです。しかしそのデータをうまく活用できている企業はごく僅かです。メインターゲットと直接コンタクトをとる方法や購買行動を観察するといった具体的な方法はあっても、顧客インサイトを理解したり、顧客行動を理解するための分析目的に至っていないことも問題のひとつです。
これは、オンライン・オフラインを行き来するペルソナの行動を視覚化したカスタマージャーニーを有効に活用すれば見えてくるものです。消費者を惹きつけるためには、「魅力」が必要なのですが、商品そのものだけではなく、価値あるコンテンツを用意して、顧客を育て、購買、ファン化に繋げる「仕掛け」の検討、実践が必要です。
様々な顧客接点(タッチポイント)を見極めて、認知から購買につながる「シナリオ」を考え、その段階の顧客マインドに沿った情報を発信する必要があります。これは、ペルソナ設計からカスタマージャーニーマップを作成するプロセスの中で、トライ&エラーを繰り返し実践する事で確実に成果へのチューニングがあってきます。
カスタマージャーニーマップで導線の確認を。迷ったときは、カスタマージャーニーに立ち返り、現在の立ち位置を再確認。
シンプル・イズ・ベストな理由
伝えたい情報が多々あるからと情報をてんこ盛りにする事はナンセンスです。あくまで「シンプルに分かりやすく」が基本です。計画段階では色々な可能性を想定する必要はありますが、完成形は、要素を絞り込み、シンプルにする事で、最も伝えたい要素を尖らせます。
溢れかえる情報に疲れた消費者が選ぶのは「自分にとって必要なもの」「分かりやすい魅力があるもの」この2点。
外人のモデルを使い、クリエイティブを目指すサイト、根拠や理由が明確に伝わらないのに「こんなにすごい」「かっこいいだろ」と言った自己満足なサイトをよく見かけますが、こんな姿勢はナンセンスです。
消費者はあくまで、等身大で、自分毎を刺激した内容でなければ、見向きもしません。難しい事は考えず、購買するまでの「行動」を理解することからはじめることが一番の近道です。継続する事で新たなアイデアの種となり、自社のペルソナにとって最適な施策サイクルが、新たな「気づき」と共に出来上がってきます。
顧客との信頼関係が最も大事
ブランド構築において一番大事なもの、それは顧客との信頼関係です。「あのブランドなら、よいものが見つかる」「あのブランドなら間違いない」「バックを買うなら、絶対にこのブランドがいい」そのように思ってもらえるよう、消費者を顧客へと導き、長く顧客であり続けてもらえるように関係性を保持、強化していくこと。顧客からの信頼を貯金のように蓄えていくこと。そのために、デジタルを活用したブランディングが大いに大事になる時代です。
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