「顧客体験価値」を最大化させる4C戦略!その考え方の本質と具体的実践方法

カスタマーエクスペリエンス(顧客体験を軸にビジネスを組み立てる)

「何が足りないのか?どうすれば売れるのか?」

現代の消費者が本当に買おうとしているものは商品・サービスそのものではありません。では何を得ようとしているのでしょうか?消費者が本当に求めているものは、新しい商品を知る体験、体験できる場所、共感できるストーリーなどその体験の背後に満足感・優越感・充実感・癒し・楽しさ、など様々な経験を価値としています。

その体験に価値を見出すことさえできれば、消費者の心をグッと掴むことができると思いませんか?

信者と化してファンとなっている優良顧客はそんな体験価値に「共感」を覚え、心にグサッと刺さるわけです。スマホの普及によって、あらゆる情報を手に入れられるようになった時代の消費者像を「賢い消費者」と呼ぶようになりました。今や多くの消費者たちが、自分にとって本当に必要なもの・価値あるものを自ら能動的に見つけ、調べ、見極めています。

そんな「賢い消費者」はヘタな広告などには踊らされません。広告と分かった時点でスルーするのが当たり前といった具合ですかね。それだけ刺さるもの、自分毎でないものにはなびかない基準を持つようになりました。そんな消費者に認めてもらうため、多くの企業が様々な戦略を練って奮闘していますが、具体的に効果のあるマーケティング施策を実行できている企業は本当に限られていますね。

逆の立場で考えると自らも一消費者です。売り手側の目線ではなく、顧客目線で物事を捉えなければならない主旨は、皆さん理解しているかと思います。しかしこと会社になると「これまでのやり方がこうだったから」「他社もそうだから」「ルール、決まり事、常識だから」とこれまでを疑う意識が気薄になりがちです。これはなぜでしょう・・・?

そんな考えから脱却できない企業体質からは新たな発想や可能性など到底生まれません。ここで何よりも伝えたいのが「顧客ファースト」です。最近ニュースで連日取り上げられているアマチュアスポーツ協会が発する「選手ファースト」問題。声高に訴えているつもりが、実は、絶対服従体制だったと・・・。

同じような慣習が一般企業にも当てはまるケースは多いでしょう。話を戻して、今回は「顧客を第一に考える」とは一体どういうことなのか?ここを掘り下げて具体化させていきます。

顧客ファーストとはどういうことか?

ビジネスの世界ではもはや当たり前になっている「4Pと4C」について軽くおさらいしてみましょう。マーケティングと言えば圧倒的に理解されている4P戦略、これは1960年代に提唱されたマーケティング戦略です。その為、(Product[製品]・Place[流通]・Price[価格]・Production[販売促進])は高度経済成長時に誕生した企業を主語にする枠組みでした。

しかし、1990年代に登場した4C(Customer Value[価値]・Cost to the Customer[負担・コスト]・Convenience[利便性/入手の容易性]・Communication[コミュニケーション])は、現在必要とされている顧客中心で考える変化激しい時代に合致した戦略です。

4Cでは顧客を主語にする為、全ての要因を「顧客の~」で捉えていきます。顧客のニーズを最大限に捉える事を目的としています。しかし、実際に「顧客ファースト」を実践しようとしても、そう簡単にはいかないのが現状です。顧客第一という発想を企業全体で統一するところから取り組まなくてはならない為、先にも述べた通り様々な課題が出てきます。

顧客にとって価値を感じられる商品・サービスを生み出すためには、顧客の行動、思考を理解することは絶対条件です。そのためには、現代の消費者の心(マインド)を正確に理解する必要があります。同様に、データに基づき、分析する力も求められます。根拠のあるデータ、裏づけを見つける事で、顧客の価値は企業が意図する事と別のところに存在する事が多々あったりします。

企業側が「価格」を一番のメリットに考えていたとしても、顧客側は「少々高くても丈夫で高性能なもの」を重視していたら、その商品は売れませんよね。満足感を何に、どこに感じるのか。顧客心理を分析することこそが、売れる商品・サービスを生み出すポイントであり、この発想が「顧客ファースト」の目的でもあります。

ひとりよがりな戦略はNG:「売りたい」から「選んでもらう」への転換

現代の消費者の心を掴むには、「買わせる」のではなく「選んでもらう」という意識を持つことが必要です。極端な話、百の売り方を考えるよりも、十の選ばれ方を考える方が、はるかに魅力的な商品・サービスを提供できるでしょう。考え方は何も難しいことではありません。

企業にとって一番の目的は「収益」です。しかし顧客にとっては企業に対して実際に払う金額という「リスク」でもあるわけです。そのため、「いくらなら妥当な金額か。いくらなら惜しいと思わずに払えるか。」というように、消費者は「どうすれば損をしなくて済むか」ということを無意識のうちに考えます。どのような価格帯を、高い、あるいは安い、と感じるのか、常にアンテナを張っていなければ気づく事さえできません。

これに加えて忘れてはいけないのが、「利便性・買いやすさ」といった視点。手にとってもらいやすい商品やサービスは買いやすいという特徴を持っています。ECサイトで購入できるものであれば、購入ページまでのわかりやすい導線は必須事項です。販売ページが分かりにくかったり、購入までのプロセスが複雑であれば、その瞬間から離脱してしまいます。

かっこいい、クリエイティブといった価値観が分かれる主観的な議論だけではなく、見やすさ・分かりやすさこそが選ばれるポイントです。いくら自分達が盛り上がっても買う相手が無関心であればその追求自体無駄です。

企業が伝えたい情報を詰めこむのではなく、あくまでも顧客目線で消費者の求める情報を提示していく意識を軸にするから「顧客ファースト」なのです。人間が一度に処理できる情報量は限られています。時間も体力も有限です。購入を検討したり、実際に購入したりするまでの利便性・簡単さ、といったことも忘れてはいけない重要な視点です。

顧客と両想いになれる企業だけが生き残れる時代

顧客は「自分のことを考えてくれている」「自分を一番に考えてくれる」と思える商品やサービスは個人に対して素晴らしい商品ですよね。つまり、「自分のために用意された商品・サービス」だと思ってもらえれば勝ちなのです。

このような満足感や充実感を感じてもらうためには、購入前から購入後までを見据えて、顧客をフルサポートする意識や体制構築が重要です。ここで役立つのが「カスタマージャーニーマップ」を活用して、共感ポイントをチームで共通認識レベルまで絞り込むシナリオ設計を見極める事です。理解が深まれば、理解から効果的な行動へ戦略を昇華させる事が可能になります。

顧客とのあらゆるタッチポイント(顧客接点)を洗い出し、どのタイミングでどのようなアプローチをしていくかを詳細に検討していきます。それはなぜか?

『顧客満足度の重要なカギを握っているのが消費者とのコミュニケーションだからです』

現在、様々な企業がSNSを活用していますよね。LINEやFacebook、Twitte、Instagramなどを用いて、顧客と密なやりとりを重ねている様子も目立ってきています。紙面でアンケートを取っていたような時代と比べると、より複雑で豊かなコミュニケーションを一切のタイムラグなしで取れる時代。企業にとって情報、ノウハウといった見えない価値は非常に重要なリソースです

様々な媒体が登場したことにより、複数の媒体を組み合わせる方法(メディアミックスやクロスメディア)なども近年では一般化してきています。しかしコミュニケーションの方法が豊富になったことで、ちょっとした失敗が企業のイメージダウンに繋がるという危険性、リスクの問題も意識しなければなりません。

企業と顧客の関係は恋愛に例えることができます。相手のことを第一に考え、不用意な言動でがっかりさせない。好きでい続けてもらえるように努力し続ける。それが長続きさせる秘訣ではないでしょうか?愛され続けるためには、恋愛だって努力は必要です。

今もこれからもスピード感が最も重要!

最近ではスマートスピーカー(AIスピーカー)などテクノロジーの進化だけに止まらず、実際普及してきていますよね。スマートスピーカーは、利用者の声に反応して様々な操作(音楽再生や商品購入など)を代わりに行ってくれる最新技術。声によるコミュニケ―ションは音で全てが処理されるため、文字情報を介したコミュニケーションよりもスピード感がある、という大きなメリットがあります。

「あ!水がない。注文して!」と呼びかけるだけで、すぐに注文処理が実行され、数時間後には手元に届く。まるでSFの世界で起きていたようなことが現実のものになっています。2、3年前には予想だにしなかった事が当たり前になっているのですから、柔軟に対応する為にも情報感度を高めて、スピード感のある意思表示、行動に移していかなければ後退しかありません。

まとめ

  • 顧客を理解するために様々なデータを活用する
  • スピーディーな情報発信×分かりやすい情報提供
  • 顧客の反応をリアルタイムで分析

このような意識で取り組めば、変化激しい時代に効果を発揮する「4C戦略」を効果的に実践できます。その根底にあるものが「顧客ファースト」である事!「着眼点」を間違わず、お客様の心を掴む努力を続けていれば、それに紐づいた様々な施策やテクニックといったものは後からついてきます。

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