脱アパレルを実行せよ!【最新版】『BEAMS』の成功事例にみる世界観という武器。

「いやー厳しいですね・・・。」
アパレル業界関係者と会ってまず一言目で出るお決まり文句。そして「どこか売れているブランドありますか?」「それはなぜですか?」が次に続くワード。そんな経緯もあり、であれば文章化してしまえと始めたシリーズ第二弾。

厳しい環境下でありながら
しっかりファンを固め、盤石な経営をしている企業・ブランドは実在します。

その「なぜ?」対して独自の見解にて応えていきます。今回の主役は「BEAMS」

全ての企業・ブランドに共通する キーワードは「脱アパレル」

1976年創業のビームス。40周年を迎えた今もなお、その勢いは衰えることはありません。過去赤字に陥る事もなく安定的な売上を維持し、未だ成長し続けるブランド。流行、トレンドなど常に変化が求められるアパレル・ファッション業界の中にありながら異色の輝きを放つ「BEAMS」。

なぜその他多勢ではなく「BEAMS」なのか?具体的に強さの秘訣を紐解いていきまます。

強烈な「らしさ」を刷り込ませるターゲティングの原則

最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。 By:ダーウィン

誰もが知っているこの「ダーウィンの進化論」これはBEAMSの為にあるといっても過言ではないかと。

消費者がどのようなものに興味を持っているのか?次に流行るのはどんなものなのか?流行の発信地となるためには、時代によって常に変化しますよね。「BEAMS」は常に進化しながらも、本質的な土台(コア)がまずブレない。

ビームスは、独自の理論に基づき、消費者を5つのセグメンテーションで捉えています。最上位に位置するのは「サイバー」。この人たちは流行の変化をいち早くキャッチする層にあたります。そして次が「イノベータ―」。流行の先端を取り入れる人々。その次に来るのが「オピニオン」。新たな流行を周囲に発信する役目を担っており、お洒落番長のような存在。

サイバーやイノベータ―、オピニオンの姿に憧れる層として、次に「マス」「ディスカウンター」と続きます。ざっくり分けると、お洒落に敏感な人々(サイバー・イノベータ―・オピニオン)と、お洒落になりたい人々(マス)といったところでしょうか。

ビームスでは、マスの上位3分の1までをターゲットとして、その層の趣味・嗜好、それに合わせたコンセプト、カルチャーに影響を及ぼす確かな選択眼と影響力が最大の武器。これは真似しようが絶対出来ない「無形文化資産」のようなもの。

又、多様なブランド群があったとしてもこの基準は徹底されている。例えば、郊外型SCブランド「coen」。ターゲットはファミリー層。しかし、その層でも考え方は一緒。ファミリー層の中でも、上位3分の1までをターゲットとみなし原則が機能しているわけです。

土台となるターゲットの考え方を理解した上で、次は今なお成長を続ける新たなアプローチに目を向けていきます。

その①「デジタルシフト」:新しさ・共感・感動をデータと結びつける

ビームスのオンライン施策は、これまでバラバラだったブランドサイト、ECを統合した事からはじまります。これらによってリアル店舗とのポイント統合や顧客データベースの一元化、緻密な顧客分析、サイト流入導線の改善が可能となり、個別最適化(パーソナライズ)なサービス提供ができる環境を整えました。

又、最も独創的な試みは販売員をメディア化し、コンテンツとしての価値を見い出したこと。ZOZO「WEAR」などサービス自体は、存在しているものの、ビームス流は一味違います。全国約1200人のショップスタッフが「フォトログ」という形式で自身がコーディネートした着こなしの写真1枚と短い文章を入力できるページが用意されています。「スタイリングページ」を閲覧すると、様々なテイストの着こなしを見ることができ、気に入った写真をクリックすると、「購入」やその着こなしを提案している「スタッフのフォロー」ができるようになります。

自分の求めている感覚に近いスタッフをフォローすることで、お洒落の勉強もできてしまうような仕組み。これは「人」と「人」の究極なエンゲージメントのカタチ!これらを支えるのが、テクノロジーというツール。デジタル化とはこれらを具現化させる道具。ここは履き違えて欲しくないところです。

この仕組みが機能する肝はモチベーション施策!本部も店舗スタッフも、購入からフォローまで全てが「見える化」。
コーディネイトやコメントを上げてお客様からフォローされたら、加点される。多くの企業では個人売りといったノルマがありますが、「つながり」を新たな指標としている点は素晴らしい着眼点かと思います。つながりを持った投稿を把握することで、本部側も今「求められているもの」や「人気が出るもの」を購入前に知る有益な情報収集の場となります。又販売スタッフも売上至上主義のノルマから解放され楽しく自分を表現できます。

服が好きなスタッフがコーディネートの提案をする。それに共感したファンがフォローや商品購入を行う。その結果を見て、新たな提案や気づきが生まれる。素晴らしいサイクルですね!

同じく、この仕組みを業界大手はこぞって展開しようとしているようですが、この点でも事業のスピード感はビームスが一歩も二歩も先をいっていますね。

その②「カルチャー発信・インバウンド受容への対応」
すべての個性に訴えかけ、ライフスタイルを提案する

ビームスでは40周年記念プロジェクトの一環として、「ビームストーキョーカルチャーストーリー」というラジオ番組を開始しました。スマートフォンの普及に伴い、以前よりも気軽にラジオを聴けるようになった今、若者たちの間でもラジオを聴く層が増えているようです。ラジオアプリ「radiko」を「ながら聞き」している人は多いようです。このアプローとはビームスをそこまで知らない、あるいは利用していない層にも訴えかけることが可能でしょう。

又、この40周年記念のPVを是非みてください!
異例の1200万再生回数を記録して注目を集めました。とにかく「カッコいい」「懐かしい」なんて声が出てくる事、間違いないでしょう。カルチャーを発信し続けるビームスだからこそ成せる表現。初見で見た時は感動ものでした!

ビームスは、国内だけではありません。グローバルな発信もぬかりなくビームス流を追求しています。2016年4月にオープンした「BEANS TOKYO」、地下1階から5階まで、日本をテーマに様々な文化を発信してる基地。いわゆるキュレーションショップという形態。

匠の技からオタクの文化まで、様々な日本をぎゅっと詰め込んだ濃厚な空間は、外国人にとってクールな日本を体現できるスポットとなっています。ファッションだけに捉われず、伝統工芸やアート、ライフスタイルまで訴求するコンセプトは、海外の観光客が、帰国後もファンとして心に刻む感動を体現できる場となっているのではないでしょうか。

その③「サスティナビリティー・エシカルファッション」
そこにしかない体験を提供

バーバリーの在庫焼却問題が明るみに出て、服に対する消費者の見る目も変わりつつあります。ファッション業界による焼却処分で出ているCO2排出量は世界全体の10%を占めるとも言われています。

デッドストック商品などのいわゆる売れ残り商品は「処分」するのが当たり前。これは業界の常識です。「安売りやセールを繰り返す事でブランド価値が下がってしまう。そんな事なら焼却してしまえ」これがブランド側の考えです。まぁブランド価値に関係なく、倉庫に置けば、お金がかかる。これも一因ですが。

そんな中、ビームスが取り組んでいる新しいリサイクルのカタチが、2017年10月に立ち上げた
『BEAMS COUTURE』というハンドメイドブランド。

3Rとして知られる「リサイクル」「リユース」「リデュース」廃棄されるものを減らしたり、再利用したり、原料に戻したりと、別利用をも目的とした「ダウンサイクル」

『BEAMS COUTURE』が目指しているのは、使わなくなったニット、パンツ、シャツなどを材料に、例えば、新たにコートを作ったりと、生まれ変わらせる「アップサイクル」

手の込んだアート作品のような一点ものの商品は、特別感が得られる新たな価値を生み出します。売れ残り商品で「特別な一着」を作るというこの取り組みは、様々なアーティストやブランドから共感を得て、そこから新たなコラボレーションも生まれています。

「らしさ」を創ることがブランド価値を高める

今回はビームスの特徴的な取り組みを3つに絞ってお伝えしてきました。

他にも「BEAMS」の強みは離職率年間3%弱という数値にも現れています。優秀な人材が流出しない、あるいは引き寄せられる環境、当事者である個々がビームスというブランドを愛している、誇りを持っている、それがお客様に伝播している。この現象は想像に難しくありませんね。

ビームスは商品そのもではなく、ビームスらしさを存分に示した世界観やストーリーを通して、人々を惹きつけていることが分かります。そこにあるのは「感動」という体験。人は心を動かされた時に何かをしたくなりますよね。心を動かされる商品に出会えば自然と手が伸びてしまいます。

「ビームスらしい」と誰もが思うようなスタイルは、潔さとも似ているのかもしれません。誰かの真似ではなく、誰もしていないことを始める。新しさを敏感にキャッチする卓越した感性により、40周年を迎えた今もなお、成長し続けている事実。

ビームスのビジネスモデルは、「個別最適化」「体験価値」「社会性」「経済合理性」「創造性」など、変わらぬ伝統と、革新を持ち合わせた異端の存在。アパレル・ファッションといったカテゴリーにはめる事が出来ない存在。

どんな会社にも「らしさ」は必ずあります!その「らしさ」を磨く手法は多様にあります。次回は、後編として、「脱アパレル」によって確かな成功をおさめている企業・ブランドを複数紹介します。「売れる」という事は、必ずその「理由」があります。この本質を理解して、自らのビジネスの可能性を追求してください。

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