AI実用化が収益アップのカギとなる!「デジタルシフト」こそ小売の新成長戦略
今テーマは、7/12(木)株式会社サーキュレーション様主催セミナーに
登壇した際、お伝えした内容を含んでいます。
「激動のデジタル時代に生きる小売流通業が取るべき成長戦略」
「AIは人間を超えるのか?」「AIは人間の仕事を奪うのか?」
ビジネストレンドのごとく、語られている「AI化」の流れ。ではどれぐらい実用に近づいているのか?まだまだ遠い先の話のように思われがちですが、間違いなくここ3年、いや1年程で実装する機会、環境が整いつつある状況を理解していますか?
今回は言葉先行の「AI化」がすぐそこまできている現状と「AI化」によってどんな事が可能になるのか?代替されるのか?アパレル・小売業界に大きく影響をもたらす「デジタルシフト」の未来についてご紹介したいと思います。
そもそも、AI(人工知能)とは一体何なのか?概念理解
AIブームは1956年までさかのぼります。当初は「推論・探索(第一次ブーム:1956年~1960年代)」、次に「知識表現(第二次ブーム:1980年代)というように様々な角度から研究が行われてきました。発展や停滞を繰り返しながら、現在は「深層学習(ディープラーニング)」に焦点を当てた第3次ブーム(2000年代~)の中にあります。
ビッグデータ(大量のデータ)を用いた「機械学習」が実用化され、AI自ら学習(ディープラーニング)できるようになった結果、「対象を認識する際に注目すべき特徴を定量的に表す(=特徴量を示す)」ことができるようになりました。
簡単に言ってしまえば、入力されたデータをもとに学習したAIが、自ら考えて分析できるようになった、ということです。AIの研究には、人間の知能を再現しようとする立場と、人間が知能を使って実行することを機械にさせようとする立場、の2つがあると言われています。
研究をどのように定義するかについての議論は今でも続いていますが、今回は、人工知能の研究で中心となっている「人間が知能を使って行っていた事柄を、AIを使ってどのように実行させるか?」このテーマにフォーカスし、アパレル・小売業界の変革根拠として展開していきたいと思います。
AIが得意な部分をうまく活用するべき理由:AIは何ができるのか?
AIの実用は主に、IT分野や医療分野で活用されています。回線が混み合いがちなコールセンター業務のサポート、顧客満足度や仕事効率の向上、あるいはAIによる画像診断で病気を発見できるシステムを提供するなど既に実装が当たり前となっている業界が存在している事をご理解ください。
では、小売企業における商品開発の分野ではどうでしょうか?
AIを活用すると、データにもとづく正確な「予測」ができるようになります。「次の期間に何が売れるか」という需要予測は、企業にとっては収益を左右する最も重要なジャッジです。この需要予測によって生産プロセス、在庫コントロールなど一連の業務に影響を及ぼすため失敗は許されませんよね。
しかし、専門的な知識を持った人間であっても、正確なトレンド予測は至難の業です。人間の場合、データよりも自身の感覚や経験、過去のデータに基づく結論でジャッジするのが慣例です。
一方、AIは需要予測の改善・根拠となるデータを取得し、商品が売れている客観的な因果関係をデータに基づき、人間よりもはるかに正確な分析をすることができます。
現時点で、主な分析方法は2つあります。一つは「時系列分析」と呼ばれるもので、投資の世界で広く行われているやり方です。過去の売り上げデータに様々な角度から裏付けを取り、個人の購買傾向から「売れる商品」を予測します。
もう一つは「画像認識分析」と呼ばれるもので、画像の持つ特性からタグ付けをし、それをもとに「売れている理由」を見つける方法です。このようなAIを用いたマーケティング戦略は「“AI MD”」と呼ばれています。
こうしてる間にアダストリアのECサイト
『.st』には採用、搭載されたようですね!
販売・企画・流通・生産がデジタル技術により連携することで、企画から量産までのプロセスがスマート化できるのわけです。データにもとづく予測を行えば、生産プロセスまで一気に合理化できる業務効率化のメリットを享受できます。
アパレル業界の場合、商品開発の段階でサンプル作成は必須です。伝統的なやり方ではデザインを起こしサンプリングの手間をかけ、ようやく生産の段階に入ります。この時点でかなりのコストをかけているのが現状です。
しかし、デジタル技術を使えば、サンプル作成も「3D CAD」という設計ソフトを活用する事で、人の手を介さずに無駄なくサンプリングの行程を効率化、スマート化できます。このように、販売・企画・流通・生産がデジタルの力によって連携することで、無理、無駄が解消され、最短距離でゴールに導く仕組みが完成するわけです。このような一環システムは今後「デジタルSPA」と普通に呼ばれるようになるでしょう。
デジタルシフトがもたらす最大のメリットとは何か?
生産の現場にAIを取り入れると、生産に関わる全ての行程をリアルタイムで管理できるようになります。具体的は“PLM(Product lifecycle management) ”というソフトウエアが開発されています。
製品に関する様々な情報(型番・素材・納期・コスト・価格)を入力すると、服がパーツに分解され、原材料の発注から納期の調整、納品スケジュール(工場・顧客)や遅延状況まで把握できる仕組みを備えています。このようなマネジメント機能を持つソフトに、AIによる「AI MD」やサンプル作成「3D CAD」を組み合わせれば、間違いなく企業利益は向上します!
アパレル・小売業界におけるデジタルシフトがもたらす最大のメリットは、販売・企画・流通・生産が全てリアルタイムで連携できること。そして開発から納品まで、全ての行程がデジタルSPAによって半自動化されることにより、付帯業務となっていたこれまでの作業負担を減らし「人間にしかできない事柄、考える時間を確保」できる事にあります。これらをアイデア創出、差別化要素の強化に当てられるようになれば、自ずとブランドは次へのステージへレベルアップしていきます。
注)AIに任せる部分と人がやるべき部分の線引き、プロデュースが前提ですが!
「AIで何をするのか?」「AIをどのように運用していくか?」「人間にしかできないことは何か?」
どの部分をデジタル化するかこれを決めるのはあくまでも人間です。AIをうまく活用することで、企業の大小に関わらず、最小の労力(資金)で最大の効果(売上・利益)が可能なのです。経費負担が一番かかるのは「人件費」
「需要予測」という課題解決に、
最新のAI (人工知能)を使ったベンチャー企業が続々と参入
日本ディープラーニング協会という団体があります。その正会員は国内のベンチャー企業を中心にまだ数社しか存在していません。その中に15社目の認定を受け、ファッションに特化した企業が誕生しました。画像認識技術を使い、「AI MD」というジャンルを創り出したベンチャー企業、「ファッション・ポケット」です。東京大学人工知能の権威、松尾准教授ひきいる新進気鋭のベンチャー企業。
もはや、小売ビジネスの要、「MD」は、AIに置き換えられる時代がすぐそこまできています。生産管理やパターンメイキングも不要となる時代。
企業の「デジタルシフト化」はもはやまった無し!想像をはるかに超えて実装段階まできています。まさに業界は本当の意味で、変革の時期を迎えている意識を持たなければ確実に時代に翻弄されます。「変わらないと」「変えよう」という議論にとどまるだけではなく、具体的に、では「何をするのか?」「誰と組むのか?」自分達の枠を超えた連携をするなど、状況を理解した上で「行動」に移す事以外、答えなどありません。
「デジタルシフト」をテーマに研究・活動している弊社は多くの知見、推進ノウハウを「行動」によって蓄積してきました。
どうぞ、無料相談からでもお気軽にご用命ください。事業の道標となれれば幸いです。
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