消費者の意識変化=「ショッピング方法の進化」の必然

IT進化がもたらした、新たな購買行動(消費者の意識変化)

インターネットの普及により、私たちの普段の生活にもネット環境は欠かせないものになっています。最近ではオンラインショップで買い物をする方も増えてきているのではないでしょうか?近年の消費者には以下のような2つの特徴があります。

(A)実店舗で商品を確認して,帰宅後に同じ商品が最も安く変えるショップで注文する

(B)商品情報を検索してから,実店舗で最終確認をして購入する

(A)はショールーミング、(B)はウェブルーミングと言われる購買行動です。

元々はショールーミングという表現が先行していましたが、新たな購買行動の登場により、ショールーミングをもじった「ウェブルーミング」という言葉が登場しました。

現在、ウェブルーミングは新たな可能性として注目されています。「実店舗→オンラインショップ」がショールーミングの流れであれば、その逆の「オンラインショップ→実店舗」というのがウェブルーミングの流れになります。

以前であればオンラインストアの方がやや低価格で購入できる(=オンライン割引がある)などのメリットがありましたが,実店舗とオンラインストアの価格差が目立たなくなり、流通の仕組みもオムニチャネル化しています。

このような現状で必要なのは、売り手と買い手の双方にメリットがある仕組みづくりです。そのカギを握るのが、消費者の新たな購買行動の把握と、IT技術の活用です。

消費者が自分で選べる、一番良い買い方の提供(消費者の意識変化)

実店舗だけ、オンラインショップだけ、という売り方では、今後も激変していくことが予想される市場に太刀打ちできません。今、企業に求められているのは、「実店舗×オンラインショップ」の考え方です。

実店舗だけに絞ると、「出かけるのが面倒」「ネットで気軽に買いたい」と思っている消費者の購買意欲を高めるのは難しくなりますし、オンラインショップだけに絞ってしまうと「実物を見て確認したい」「実際の使用感も試したい」という消費者を惹きつけることはできません。

つまり、両方の良い部分がうまく融合できることが、消費者の欲求に幅広く対応できる「売れる」仕組みづくりに繋がるわけです。

ここで丸井グループの成功例を簡単にご紹介しておきます。

丸井グループの婦人靴部門では、商品サンプルだけを店に置く「体験ストア」を拡大し、その斬新な販売方法で成功を収めています。商品サンプルしか店頭に無いのに、顧客は本当に来店してくれるのでしょうか…?ここに独自の仕掛けがありました。

商品サンプルの良さは、気兼ねなく自由に試し履きができることにあります。売り物だと思うと何度も履くことを躊躇してしまうことがあるかもしれませんよね。

しかし、店頭にあるのはサンプルなので、納得いくまで履き心地を確かめることができます。サイズ展開も16サイズ(19.5~27センチ)用意されており、足の大きさに関する悩みを抱えている顧客にも柔軟に対応できます。

広々としたウォーキングスペースや大きな鏡も用意され、体験ストアとしての工夫が随所に散りばめられています。

試してみた商品が気に入れば、店頭に用意された専用タブレット端末から購入手続きを済ませ、商品は自宅に無料配送されます。最短で2日あれば手元に届くという流れなので、荷物を持って家に帰らなくても良いという便利さもありますね。

この「体験ストア」形式が成功した理由を、大きく3つにまとめることができます。

1つ目は、無駄な在庫を抱えなくて済む、という売り手側の負担が軽減するメリット。
2つ目は、顧客が自分に合ったサイズをしっかり選べる、という便利さ。
そして3つ目に、店頭の端末から購入し、僅かな日数で手元に届く、というスピード感。

特に3つ目のポイントとして、店頭で決済まで完了してもらうことで、確実な購入をしてもらえる、というメリットがあります。来てくれた顧客を逃さない工夫が感じられますよね。

ここでご紹介した丸井グループの取り組みは、実店舗の良さとオンラインショップの良さを融合したひとつのモデルと言えます。今後もさらなる進化が期待されますので、注目し続けたい取り組みと言えますね。

実店舗×オンラインショップの融合がもたらすメリット

実店舗とオンラインショップを融合するための方法は、消費者目線で考えることで見えてきます。

データ上、近年の購買行動として特に目立っているのは、ウェブルーミングです。これには、インターネットの大幅な普及が背景にあります。

私たち一人一人が、一つ以上のデジタルデバイスを当たり前のように所有している時代だからこそ、強化すべきなのは、デジタルツールの有効活用です。

情報をただ発信するという単純なことではありません。体験ストアのような「Pop-Upストア」が持つ「話題性」を活用しながら、顧客に新たな体験を提案することも忘れてはいけないポイントです。

実店舗には実店舗の良さがあります。商品・サービスに直接触れあえるというメリットを生かし、これまでには無いようなエンターテイメント性をもたせることもできます。スポーツ用品ではフィットネス・ジムと融合させた店舗も存在しますし、アパレルショップとバー・レストランなどを融合させた店舗もあります。

オンラインショップにはオンラインショップならではのメリットがあります。最新情報や割引情報の提供だけでなく、SNS上に書き込まれるレビューや口コミなども、自社商品・サービスをさらに発展させるための有益な情報です。

レビューに目を凝らしてみると、「すごく良かったので、色違いも買いしました!」などの投稿を目にすることがあるかもしれませんね。これを読むと、「色違いで買いたくなるほど良い商品なのだ!」と感動します。

「それならば、自分も買ってみようかな?」という気持ちに、思わずなりませんか?
このような好意的なレビュー欄の投稿が、それを目にした他の消費者の購買意欲をかき立てる要因になる、ということが調査上でも明らかになっています。

実店舗の良さ。オンラインショップのメリット。両方の良さを利用しない手はありませんよね!

新たな常識を提案するアイディア力は、企業にとっての最大の武器になる

昔の当たり前は、すぐに時代遅れになります。誰もがスマホを持ち歩き、常に検索できる環境だからこそ、「ネット集客」に注力することは、最適な方法のひとつと言えます。

そして、消費者の新たな購買行動に対応するためには、新しい常識が必要です。常識は時代と共に変化していくものです。これは言い換えれば、自分自身が新しい常識を作れる可能性も無限に広がっている、ということになります。

今、何が起きているのか。素早く確実に見極めながら、新たな技術を積極的に取り入れていきましょう!っているならまずは行動してみる。そして試行錯誤しながら、新たな常識を提案していきたいですね。

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