「MDカレンダー」だけではダメ!顧客体験の理解を目的とした「カスタマージャーニー」を取り入れるべき。

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カスタマージャーニーとは何か?

カスタマージャーニーという言葉を聞いたことはあるでしょうか。直訳すると「顧客の旅」ですが、これを一言で言うと「顧客行動の可視化」となります。顧客行動には「商品を見つける」「商品を買う」「サイトを閲覧して調べる」「商品の口コミを投稿する」「リピートで購入する」など、ありとあらゆる行動が含まれます。

このような視点を図示化したものが「カスタマージャーニーマップ」です。顧客が商品を購入する「前」「途中」「後」におけるあらゆる「行動・感情・接点」を様々な角度から時系列で考えることにより、顧客の目線で考えることができるようになるツールです。カスタマージャーニーマップを用いることで、自社の「改善すべき点」や「伸ばすべき点」などを見つめ直し、これまでにない最高の顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)を提供することができるようになります。

アパレル業界でいえば、MDカレンダーがこれにあたるアクションプランですね。
しかし、このMDカレンダーは、横連動のアクションを時系列にまとめ、売上のやまの時期、集客動員が多い時期に何をやるかを決め、ブランド全体で訴求する為のツール。

■従来型MDカレンダーの弊害

①各社同じ時期に同じようなイベント施策を実行。
→戦略のい同質化(コートフェア、アウターフェア、期間限定値下げなど・・・。)

②ブランド側が一方的に決めたイベントや催しである為、効果と成果のギャップが大きい。

顧客の辿る道筋を理解する

従来型のMDカレンダーに、カスタマージャーニーの視点を取り入れることで、顧客の辿る道筋を客観的に眺めることができるようになります。カスタマージャーニーマップは、顧客行動の俯瞰図と言い換えることもできるでしょう。お客様の「心」の動きや「購買」までの細かな行動、購買後の「心理状態」なども合わせて包括的に捉えて分析することで、企業にとって無駄の無い最適なアクションプランが立てられるのです。

全く的外れな対策を行っても、お客様の心には届きませんよね。「それじゃないんだよな…」と思われてしまっては、せっかくの努力が水の泡になってしまいます。必要なときに顧客の求める情報や体験を提供できれば、ユーザーエクスペリエンスをさらに充実させることができるはずです。そのためには、顧客の行動を細かく理解し、顧客の心を理解することが必要不可欠です。
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カスタマージャーニーのステップ

今回は弊社レベレッジラボ研究所が提案するステップをご紹介していきます。
■STEP2 差別化構築フェーズ(アイデア・仕掛け)

レベレッジラボでは、消費者の「購買心理」や「行動」を把握し、最適な「仕掛け」を組み込む無駄を省いたプロセスを提案しています。顧客を理解するために、まずは、顧客のマインドフローを視覚化してからカスタマージャーニーマップを作成していきます。
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まずは、「段階」「顧客接点」「顧客行動」「顧客心理」「調査サマリ」「課題」の6つの要素を軸に考えていきます。顧客の体験する時間軸をステージとし、その各段階での「媒体との接点」や細かな「行動」、その際の「心理状態」などにも注目していきます。また、各段階における顧客の「意見」を収集し分析に使用します。これらの一連の情報を基に、今後の「課題」を整理することで、顧客が体験する各ステージに合った必要な対策ができるわけです。力を加える箇所さえ正しければ、結果は飛躍的に跳ね上がります。ビジネスの場にも「てこの原理」を応用することができれば、確実に成長できるはずです。
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カスタマージャーニーマップを作成するメリット

カスタマージャーニーマップを作成する一番のメリットは「顧客に寄り添う」ことができる、という点です。顧客の体験を真剣に見つめ直すことにより、企業や経営者にとっては、視野を広げる機会が得られます。サービスや商品を提供することだけに集中していると、受け取り手の「行動」や「感情」にまで目が向かなくなることがありますよね。しかし、カスタマージャーニーマップを利用すれば、顧客目線で自社のサービスを客観視することができるのです。さらに、顧客が辿るプロセスを簡単に図示化しておくことで、複雑なデータであっても直観的に理解できるようになるというメリットもあります。

これにより、プロジェクトに関わるより多くの人々に改善点を示しやすくなります。さらに、顧客の「行動」と顧客の利用する「媒体」とを組み合わせた施策立案ができる、という点も非常に魅力的です。どのような対策をどのステージに行えば結果に結びつくか。これにより、無駄を省いた対策が練りやすくなります。
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まとめ

顧客との「心」の繋がりを意識することで、よりよい顧客体験が提供できます。顧客の行動に合わせて、カスタマージャーニーマップを微修正していくことも必要です。顧客の「求めているもの」を提供することは、商品そのものの価値を高めることと同じように大切な視点です。消費行動における顧客の一連の行動を予測し、現状を把握して分析することは、経営をより円滑に進めるための助けとなることは間違いありません。カスタマージャーニーマップを取り入れて、最適な対策を行っていきましょう!

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