右肩下がりの市場で戦う『次世代型マーチャンダイザー(MD)』の資質と思考

時代の変化に対応した「次世代MD」の必要性

アパレルブランドの「要」はマーチャンダイザー(MD)です。

以前別の記事でもご紹介しましたが、現代のアパレル業界において、優秀なMDの存在はますます重要になってきています。
アパレル業界のMDに絶対必要な資質とは?

ここで改めて、優秀なMDとはどのような思考・能力を有する人を指すのか?
MDという言葉を知っていても、必要な中身に関してイマイチわかっていないという方も多いでしょう。今回は、時代の変化に対応した、次世代MDの必要性と必須の思考や能力に関して解説していきます。

優秀なMDは枠の外から俯瞰するゼネラリスト

一般的にMDに求められる必須要件は、数字に強い人であり、分析が得意な人、結果を検証して、次週の対策を考え、各ポジションとの連携力にかなでた人。この資質が優秀なMDの定義であると言われています。

しかし、情報や、モノがあふれ、選ぶことさえ難しくなっている現在、上記の資質だけでは、新たな時代の流れに取り残され、市場とのギャップはどんどん広がってしまいます。特にIT進化によって、消費者の購買行動は飛躍的に進化しました。「結果」を基に仮説検証サイクルを回してきた従来型のMDロジック自体、もう既に新たな価値を生み出さない、金太郎飴製造手法なのです。

ニーズの多様化や、顧客の情報収集力に対して、今何が求められているのか?これまでのMDと今後のMDとでは、明らかに貢献する役割が変わってきています。

簡単に言うと、『顧客に寄り添って、顧客心理を理解した上で「仕掛け」ていく技術』が求められています。
「仕掛け」は、偶然生み出されるものではありません。顧客のニーズや心理を理解することで価値を最大化さることが可能です。社内をまとめ上げて商品を作り、社外に対して的確なセールスを行い、顧客に価値を与える。その過程に一貫性を持ちながら共通認識でつなぎ、シナジー効果を誘発させること。まさに商品だけではなく究極の「全体最適」を考える立場にあるのが次世代型MDです。

次世代型MDは特定の分野に優れたスペシャリストというより、顧客視点で、Webの世界で、既に普及している「カスタマージャーニー」などを活用し、購買行動に沿った商品政策の発想・アイデアが必要です。複数のタッチポイント(顧客接点)に最適な「仕掛け」を考え、実践推進させる既存の枠を超えたゼネラリスト的なポジションです。

自分の時間全てをMDに費やせる人が成功する

 小説家の阿刀田高曰く「小説家とは、読者と自分の好みのために命を尽し、生活そのものが小説のように生きてしまう人」であるそうです。MDも似たところがあります。成功するMDは、自分の時間を全てMD活動に費やせるくらいアンテナ感度が高くなくてはいけません。

それ故に、「優秀なMDは育成が難しい」「優秀なMDが慢性的に存在しない」と言われる課題の本質にぶち当たります。

縦連動も横連動も柔軟に解釈し、的確にまわりを巻き込んでプロジェクトを進めていくことこそが、価値を生み出す新たなMDの姿です。ハイブリッド、プロデュースなどの言葉があるように、もはやMDという業界の特殊な固有名詞に縛られる必要はないのです。だからこそ、MDの仕事は無限の可能性を秘め、他に類をみないほどやりがいがあります!対外的にも優秀なMDの市場価値は高く、広く求められる人材です。

 未だにMDの重要性を十分に理解していない人も多い

 優秀なMDを育成することの必要性が増してきているのに対し、その重要性を未だに理解していない人が多いのも事実です。これは実際MDの肩書きを持っている人にも当てはまります。かつてないスピードでトレンドも顧客の行動も同時進行で変化している時代です。

成功した1つのパターンをロジック化したり、偏った事実やデータしかみない「狭い視野のMD」では、変化対応に弱い、ミスマッチな商品を市場に提供し続けます。

次世代型MDはこれからのビジネスを新しく創っていく重要な立場です。
革新と創造の意識を持つ、新たなMD人材の育成をバックアップしていきます。

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