経営者必見!意外と知らない「見える化」の正しい意味と強力な効果
「Leverage-Lago」のアプローチ方法
「結果のすべてはプロセス次第 !」 プロセスの「見える化」設計
単なる情報開示は「見える化」ではない
「我が社は、社内のあらゆる情報を積極的に開示して、社員が見たいときにいつでも見られるように工夫している。」でもちょっと待ってください。あなたの会社は「見せる行為」だけで満足していませんか?
コンサルティング支援時、課題が見えていたとして、一方的に提案しても成果などあがりません。私の場合は、目標に向かってお互いの意識、役割を明確にする為に、しっかりコミュニケーションをとった上で、必ず、仕事以外のパーソナルな雑談を挟みます。そんなリラックスした状態を作り出し、課題の本質を探るようにしています。
単なる情報開示で満足しているうちは、本当の「見える化」には全く到達していません。課題解決に求められる「見える化」という言葉ですが、その正しい意味を理解して改革に取り組んでいる企業はごく僅かのように思います。改めますが、「見える化の本質」は、戦略どうこうではなく、抱えている「問題が見えるようにする」ことと弊社ではとらえています。
問題の本質が見えることではじめて、「見える化」の機能が働き始めます。問題が見えれば、それを解決しようとする「問題解決」のプロセスが生まれます。つまり、視覚的に情報を開示するだけではなく、それを見た全ての人が「問題意識」を持ち、「問題解決」について思考を巡らせることができるような状況をつくるわけです。
企業全体がひとつの目標に向かって努力するためには、全員が「共通認識」「共通言語」を持たなくては、まず変革は進みません。興味がある人、意欲がある人、能力がある人だけが気づくようなやり方では不十分と言えるのです。
そこで今回は、どんな見せ方なら、正しい「見える化」といえるのか?実体験からぼ気づきを提言していきたいと思います。
真の「見える化」は、見た人に行動を起こさせる
例えば、道路標識や信号を思い出してください。意識せずとも自然に情報が目に飛び込んできますよね。私達は普段、目に飛び込んできた情報によって、速度制限を意識したり、飛び出しに注意したり、青信号なら進み、赤信号なら止まる…というように行動しています。
視覚的に得た情報を基に、誰もが迅速で自然な行動をとることができています。企業にとっての「見える化」は、道路標識や信号の役割と似ています。目的地に向かって進んでいく際には、様々な地点で危険な状況に遭遇することがあるかもしれません。
見通しの悪い交差点、合流注意の場所、事故が多い場所、などなど。全員が安全に目的地にたどり着くためには、様々なポイントで危険を知らせたり注意を促したりしながら、確実に誘導していく必要があります。情報をいくらオープンにして共有しても、見せ方、伝え方が悪ければ届かないとはそんな事です。
見えにくい信号が設置された場所では事故が頻発してしまうのと同じで、分かりにくい「見せ方」では、問題も大きくなりやすいのです。よく見なければ気づかないような示し方、気づける人にしか理解できない示し方ではなく、誰の目にも自然に飛び込んできて迅速に行動にうつせるような、わかりやすさやインパクトが必要です。これこそが、真の「見える化」ではないでしょうか?
マイナス面の「見える化」こそが、課題の本質をあぶり出す
ポジティブな面を積極的に共有することが「見える化」である、と考えている企業は少なくありません。しかし、良い部分は意識しなくても自然に伝わってきますよね。
では、悪い部分はどうでしょうか?「こんな状況は知られたくない」「微妙だけれど、まあ何とかなりそう…」という曖昧な気持ちがあると、大きな問題を放置したりネガティブな部分を隠そうとしたり…という体質が生まれます。これは、人間関係と一緒で、限られた人材を強力な戦力にするには、まさに「見える化」による信頼関係が不可欠です。
問題の本質はネガティブな部分を「見えるように」する。そんな意識を持ち、マイナス面の情報も「見える」ように工夫しなくてはいけません。情報を見せるのも見るのも、「人」です。つまり、そこにいる人々の意識が変わらなければ「見える化」は機能しないというのが結論です。
小さな変化や予兆を読み取れるようなデータを敏感にキャッチできる能力。マイナス面こそ敢えて全体で共有できる=「見せられる」能力。このような能力を持った人材を育てていく環境こそ重要です。マイナス面の「見える化」は、問題解決における瞬発力を育てることに繋がります。
「見える」ことがきっかけとなり、「気づき」「対話」「思考」のプロセスが生まれ、この一連の流れが、実際の「行動=問題解決」に密接に結びついています。その為にも上っ面な課題をあたかも、それが原因と決めるのは愚の骨頂です。ほとんどの問題はもっと目深い部分にこそあります。
「見える化」を実現させる4つのステップ
第1ステップ :問題・課題を発見する
第2ステップ :問題・課題の真因を発見する
第3ステップ :真因を解決してあるべき姿に近づける
第4ステップ :あるべき姿に近づいたのか確認する
まず第1ステップ、「問題・課題を発見する」で重要なことは、「あるべき姿」を明確に定めること。問題とはあるべき姿と現状とのギャップであり、課題はそのギャップを埋めるための戦略プロセスとなります。つまり、成果にコミットするにはまず、 「現状」と「あるべき姿」そのギャップを「見える化」 することから始めます。
第2ステップ、現状課題を細かく分解して、その結果をもたらす原因は何かを探っていきます。ここからはWHYの掘り下げのように、その原因をもたらす、更なる原因はなにか・・・を探っていき、課題の本質を見つけます。課題の本質が見つかったらそれを解決するための具体的アクションプランやそのアクションプランが実行されているかを測る指標を策定します。
第3ステップで、アクションプランに基づき実行し、課題の本質を解決していきます。同時にアクションプランに従って正しく実行できているか、つまり 実行状況を「見える化」 します。
最後が第4ステップ、課題の本質が解決できたら、あるべき状況に近づいたのか、効果を確認します。もし、あるべき姿に近づいていないのであれば、課題の本質自体、見直しが必要です。あるべき姿に近づいていたならば、あるべき姿をさらに高めてブラッシュアップしていきます。この 効果のプロセスの「見える化」 こそが、「見える化」の本質です。
経営陣の意識を変えれば「見える化」戦略は成功する!
透明度の高い企業風土をつくりあげていくためには、「見える化」の意義を、企業全体で理解しなければなりません。経営トップが「見える化」を理解していなければ、企業全体にその意識を広めることは不可能です。
自ら率先して「見える化」に取り組んでいく為に、心がけておきたいのは「シンプル」であること。
難しすぎたり、理解するまでに時間がかかったり…という情報は、全体に浸透しにくいですよね。見えた後の「行動」に繋がるような分かりやすさを意識して取り組んでみてください。
何でもかんでも見せるのではなく、伝えるべきこと、要点をシンプルに、分かりやすく伝える=「見せる」。ここも重要なポイントとなります。
「見える化」によって、全体最適で問題を共有し、対策の仕方を考えていくことができれば、次なるフェーズは、戦略プロセスの組み立て方です。目標(ゴール)までの導線をシンプルに分かりやすく設計しておくことで、企業全体に浸透する「見える化」の状況をより具体的に作り出すことが可能です。
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