インナーブランディングで内側から変える!

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インナーブランディングとは何?

インナーブランディングという言葉をご存知でしょうか。

良く知られているブランディングは、外に向けて自社の価値を高めていく取り組みですが、インナーブランディング(またはインターナルブランディング)とは「企業が全社的にブランドビジョンを共有化し、従業員の意識や行動の目標を統一化することにより、製品・サービスの向上に繋げる施策」と定義された企業の内側に向けての取り組みです。


ブランディング戦略を成功させるには、このインナーブランディングの取り組みが成長のカギを握る重要な視点となっています。企業で働く全ての人々(社員・派遣社員・パートタイマーなど)、そして商品やサービスを顧客に届けるまでに関わる全ての人々(物流業者・小売業者など)がインナーブランディングの対象です。

今回はなぜ今、このインナーブランディングが必要なのか?を紐解いていきます。

インナーブランディングが必要な理由

インナーブランディングは、従業員満足度(ES)との関連が深いことで知られています。従業員満足度が高まれば、従業員の言動ひとつひとつが自社のブランディングに大きな影響を与えていきます。そのため、従業員が働きやすい会社作りをすることが必要です。

ブランディングに力を入れてもなかなか結果に結びつかない場合には、内側からの改革に目を向ける必要があります。


その方法として、正当な評価・報酬、より良い労働環境、福利厚生や教育研修を充実させるなど。それらを通して企業の知名度を上げていく努力が必要になります。「自社のブランドに愛着を持てるような従業員を育成すること。」これがインナーブランディング最大の目的です。

これらがうまく回りだすと、商品やサービスを受け取る「顧客の価値」を高めることにも繋がります。日々変化する市場、そして顧客が感じる価値が多様化してきている現代において、どのようにインナーブランディングを進めていけばいいのか?

インナーブランディングの効果と課題

branding-738x556外部への情報発信の基となるソーシャルメディアを例にあげてみます。インナーブランディングが成功していれば、ソーシャルメディアを担当する従業員の発信もポジティブなものとなり宣伝効果も期待できるでしょう。自社ブランドへの愛着があれば、日頃から感じている愛情が自然に文章に現れ、好感の持てる発信となりますが、インナーブランディングに失敗している企業の担当者は、特に意識せずに発信してしまうことがあります。ここは「自社のことが好きか」「嫌いか」あるいは「無関心」か、で伝える言葉の幅や質に大きな影響が出てきます。

何気ない一言も世間には悪評として広まり、結果として企業ブランドを貶めてしまうことも考えられます。「今日も残業です…」とか「出社早々、上司に怒られてしまいました…」というようなちょっとした発信も、見方によっては「労働時間に配慮がない会社」「従業員が働きにくい会社」と思われてしまうかもしれませんよね。

同じ商品について投稿するときに、「私も長年愛用しています。本当にオススメの商品です!」と書くのと、「当社で売上上位の人気商品です。」と書くのとでは、読み手が受ける印象が違うのではないでしょうか。

前者の方が、思わず購入したくなる投稿と言えるでしょう。ブランドビジョンが会社全体に浸透していれば、このような非常に小さな部分からもブランドの良さが自然とにじみ出てくるものなのです。今回はソーシャルメディアでの投稿を例に挙げましたが、現場での接客にも、インナーブランディングが与える影響は大きいことは明らかです。

インナーブランディングによる成功例

インナーブランディングに成功した企業の例を二つご紹介します。一つ目はスターバックス、二つ目はディズニーリゾートです。まず、スターバックスでは、広告費ではなく人材育成に費用と時間をかけ、接客の質を高めることを最重要課題としています。接客マニュアルは用意せずに、「お客様のためにできること」を従業員それぞれが考えながら自発的に働くことが求められています。従業員の満足度=お客様の満足度、という考え方が企業全体に浸透しています。従業員満足度の先にある顧客満足度を見据えているのが成功要因の一つです。

私もよく利用しますが、注文の際、「ストローを通しますか?」の一言や、商品を受け取る時に、必ず目を見て「ありがとうございます」と言ってくれますよね。これは私自身も非常に嬉しくなりその後の仕事もはかどります・・・。

次に、ディズニーリゾートの例ですが、キャストの接客・対応の素晴らしさは度々話題になっていますね。徹底した接客ルールは、道案内からゴミ拾いに至るまで、全てに適用されています。「また来たい」と思ってもらえるようなサービスを提供できる企業は、インナーブランディングに力を入れていることが理解できるのではないでしょうか。

そして、我がアパレル業界

他業種と比べ接客に相当改善の余地がありますね!「いらっしゃいませー」の掛け声から始まり、ゆっくり見たい商品を横から、すかさず「先日入ったばかりのニューモデルなんですよ」など、手に触れただけのものを、無理やり自分のペースに巻き込もうと必死になる接客。それが全てではないにしても、「心地よさ」を感じる接客ではないですよね。
以前投稿した「消費者に聞いた「内心やめて欲しいサービス」とは?」是非参照ください。

自社のブランドや製品に愛着を持てる人材を育てる

team自社内のコミュニケーションを促進させることで、自社のブランド・製品に愛着を抱ける人材を育成することは非常に重要です。その役割を担うのが、企業の中核人材、管理職が先頭となって推し進めていくことが、最も理想の形です。

このポジションが機能しなければ、必然的に社内のコミュニケーション不足に陥り、インナーブランディングを失敗させる要因になりがちです。

近年だと社内チャットを導入するなど、デジタルツールを活用して、コミュニケーションの壁をなくし活性化を促す企業も多くなってきました。

最後に、コミュニケーション不足を解消することは「手段」であり、それが現実味の無い、メッセージだけにならないように、企業全体で同じ目標を共有できるような「仕組み」づくりが何より重要なポイントです。

人材育成の先にこそ、顧客からの評価があること、これを忘れないようにしたいですね。

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