ブランド価値を高める「ブランディング構築プロセス」
『消費者の心をつかみ記憶に焼き付け認知、行動させる』
収益につなげるブランディング構築のプロセスとは?
「ブランディングが大切だな」といったものの、結局はいつものマーケティング活動と変わらなかったと言う声をよく聞きます。従来からのプロモーションを単にブランディングといいう単語に置き換え、会議の会話を、耳に心地よくするためのものなのでしょうか?
ブランド価値を創る為に必要な5つのブランディングプロセス
圧倒的なブランド性を持つ企業や商品には、共通する幾つかの構成要素があります。それは、
・ブランドポジショニング(位置)
・ブランドパーソナリティ(属性)
・ブランドアソシエーション(連想)
・ブランドストーリー(物語)
・ブランドプロミス(約束)
の5つです。正しいブランディングを行い、ビジネス価値を高めるためには、この5つ全てを満たす必要があります。今回はそれぞれの構築手順、プロセスを簡単にご紹介していきたいと思います。
ブランドポジショニング(位置)とブランドパーソナリティ(属性)の必要性
まず、ブランドポジショニング(位置)とは、ブランドの存在意義を設定するためのものです。ブランドの目的を明確にして、提供する対象(顧客/消費者)を意識し、その対象に対してどのような役割を果たすのかといった情報を整理していきます。
このブランド(企業・商品・サービス)はなぜ必要か?を細かく分析することで、そのブランドが競合他社から差別化できるポイントや優れている部分を見るのです。これによって、ブランドパーソナリティ(属性)も見出しやすくなります。
ブランドパーソナリティの段階では、単純さvs.複雑さ、色合い、イメージ、雰囲気、形状、分類、価格、活用シーン、など、商品やサービスを形容する様々な項目を対比させながらブランドの性格を設定していきます。
細かくタグ付けをしていくイメージと似ていますね。ブランドの個性は何か?類似品との違いはどこにあるのか?これらを分かりやすく示すことで、顧客の心に強く残るブランドを提供できます。少しずつ顧客との繋がりが見えてきましたね。
ブランドアソシエーション(連想)とブランドストーリー(物語)で顧客を引き寄せる
商品やサービスを手にしてもらうためには顧客を引き寄せるための要素が必要です。ブランドアソシエーション(連想)は、ブランドイメージを体現している人物や事柄を結び付ける作業です。
ブランドの理想に近いイメージや情報を関連づけて提示し、そのブランドが提供したい「雰囲気」を顧客の思考の中に刷り込みます。ブランド名を聞いたときに「ブランドイメージ」や「雰囲気」を瞬時に思い起こしてもらうことで、ブランドと連想の繋がりが強化される仕組みです。
商品やサービスのプレゼンや宣伝を行う際に、イメージに合う著名人や芸能人、街や文化を取り上げることは「関連付け」を強化するのに適しています。革新的なイメージには異端児とされる著名人、スポーツ用品であれば活躍しているアスリートなどが起用されているのも、納得できますね。
そして、ブランドに親近感を持ってもらうために忘れてはいけないことがあります。ブランド誕生までの努力や失敗の歴史を伝えること、これがブランドストーリー(物語)の提示です。
ブランドと顧客(消費者)との距離が縮まれば、多くのファンを獲得しやすくなります。ブランドを育ててきた過程を伝えることで、商品やサービスに愛着を持ってもらうことができそうですね。
ブランドプロミス(約束)で信頼してもらう
ブランドの持つ性格(位置・属性)やメッセージ(連想)、様々な努力(物語)を伝えた上で、最も重要になるのはブランドプロミス(約束)の提示です。
「そこで何を得られるのか?」これは顧客(消費者)にとって最も重要で欠かせない情報となります。例えば、「安心・安全」などの約束は食品を扱う上では必須と言える要素ですし、スピードが重視される商品やサービスの場合は、速さに加えて「安定感」なども気になります。
顧客の側に立ったとき、どのような情報を示せば信頼してもらえるのか、を考えると分かりやすいかもしれませんね。企業の多くはキャッチコピーの中に自社のブランドプロミスを含めているようです。顧客に対して何ができるのか、何を確実に届けられるのか。これを伝えることがブランドプロミスの役割なのです。
真のブランド力を身に付けてビジネス価値を高める
ブランド力を構成する5つの要素をご紹介してきました。現在活躍している企業やプロダクトは、ブランディングを最重要課題として取り組んでいます。
ブランド力は企業にとって大きな財産となるからです。ブランディングには多くの時間がかかりますが、その労力を投資するだけの価値がそこにはあります。
正しいブランディングによって真のブランド力が身に付けば、持続的且つ安定的な成長が見込めます!「モノ」を中心に考える思考から視野を広げ、どうしたら「顧客の期待」に応えられるのか?その方法を真剣に考え、実行に移すことが求められます。
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