小売ビジネス最前線!新たな購入スタイル「サブスクリプション」とは?

「買い物ストレス」を抱えた現代の消費者が求めていること

2015年10月定額レンタルサービスは世の中に受け入れられるのか?」を投稿してから2年弱。当時は画期的なサービスとして話題をさらった月額固定のレンタルサービス。その後・・・。

誰もが世の中に受け入れられるのか?こんな疑問を抱いていたサービス。それから時は経ち、ITの進化「デジタルシフト」が進んだことで、今や更に踏み込んで顧客心理を巧みに理解し、提案する究極の「個」別対応サービスが注目を集めています。今回は新たに動き出している小売の最前線に迫ってみます。

洋服を選ぶのが面倒くさい…そもそも「選んで買う」時間がもったいない…。

最近では、このような「買い物ストレス」を抱えた現代の消費者向けのサービスが注目を集めています。店舗まで足を運ばずに買える。送料・返品も無料。リスクフリーの利用環境。このような便利さが揃ったサービスが増えています。

アマゾンジャパンでは「ダッシュボタン」というサービスを開始していますが、これはボタンひと押しで決まった商品をアマゾン経由で購入できる小型端末です。商品のブランドごとに用意されたボタンを押すだけで購入できる手軽さが魅力になっています。

ダッシュボタンの場合は物理的に購入側がボタンを押すことになりますが、さらにその次の展開として「自動注文」のサービスも開発されています。インターネットと小型端末を接続し、欲しいものの残量が少なくなった時点で自動注文をしてくれる。少なくなったら自動的に商品が届く仕組みです。

個人レベルで在庫管理・補充までしてくれるデジタルサービスの進化

自動在庫補充の仕組み自体は、大手アパレル企業でも定着化されていますが、個人レベルで在庫管理・補充までしてくれるサービスを提供できるレベルまでデジタルシフトは進んでいます。買い物に時間をかけたり、家事の時間を捻出したりするのが難しい共働き世代にとっては、かゆいところに手が届く便利なサービスですね。

今回は、このような「サブスクリプション」型サービスの最新動向についてご紹介していきます。

新たな小売サービス「サブスクリプション」の魅力

お任せで商品が届くサービスは「買い物ストレス」を抱える方には画期的な方法といえます。サブスクリプションとは製品やサービスなどの一定期間の利用に対して、代金を支払う方式。契約型サービスのことを指しています。定期購読などもサブスクリプションと呼ばれまています。

これまで、サブスクリプション型のサービスといえば生活必需品(食品・洗剤など)を対象とすることが多かったのですが、今後はあらゆる手段で、ファッションなど、消費者の好みが色濃く関係する分野にも進出していくことが想定されます。

一般的な推奨機能や単なる在庫管理ではカバーしきれない個人の「個性」と関わる「ファッション」という分野で、どのようにサブスクリプションが可能になるのか?

既存のサービスから、新たなサービスの可能性まで掘り下げていきます。

「要素」を切り出すオススメ方法

「好み」に関わる商材にサブスクリプションを導入するためには、単なるオススメから離れて考える必要があります。これまで購入したものの関連商品からオススメ商品を提案するのではなく、購入履歴と同じ「要素」に注目し、その要素からオススメ商品を選定することで、個人の「好み」に対応していきます。

既にこれは「音楽」の分野で実施されており、「音楽発見サービス」として開発が進められているようです。利用者本人ですら気づかなかった好みの「要素」が分析され新たな可能性を提案してくれるので、驚きや気づきもあり、利用者にとっても楽しさが感じられるサービスですね。

これを人間が管理するのは当然無理がありますので、AIに活躍してもらうことになります。「これが好きなら、きっとこれも好きなはずですよ」という感じで、まさに購入者のためだけに「似た要素」から絞った提案をしてくれるので、膨大な商品の中からひとつひとつ選ぶ手間も省けます。

この仕組みは「好み・個性」といった要素が強く出る「衣料・生地・色・デザイン」などにも幅広く応用できると言われています。

「選ばずお任せ」の消費傾向を逆手にとる

現状では進化途上と言わざるをえませんが、このようなサブスクリプション型のサービスのメリットが幅広く知られるようになれば、全く利用したくない・興味が無い、と思うような人はいないはずです。

広く認知された瞬間に、急速に普及していく可能性が高いサービスです。既に日本で展開されている「エアークローゼット」は、普段着レンタルの草分けとして知られています。

ネット宅配で定期的にスタイリストが監修した商品が届くことが、このサービスの最大の売りと言えます。「何を着たら良いか迷う」消費者に向けた救いの手となっています。このように個々の消費者に向けて、販売側が選んだオススメ商品を届けるサービスは、パーソナライズ・アプローチという、個人とのやりとりを意識したサービスに分類できます。

しかし、顧客の特性を正確に理解するという点では、スタイリストのオススメという属人的なサービスだけでは、個人のニーズに対応しているとは言えません。時代の変化は早いもので、画期的だったサービスも「顧客視点」で見ると万全ではありません。


ここでも役立つのがAIによるオススメ分析です。

消費者が求めている「買い方」とは?

選ぶことに疲れた消費者に対する最も効果的なアプローチは、個々の消費者の好みや生活スタイルに合った「未知の商品」の提案です。

「自分の貴重な時間を使ってまで新しいものを選びたくない…。なるべく手間を省きたい…。でも自分らしさは残したい…。」そんなちょっとワガママな消費者の気持ちまで汲み取ったサービスが求められています。

AIを利用した高度な推奨機能が今後さらに広まっていけば、サブスクリプション型サービスの裾野が広がっていくことは間違いありません。

自分も気づいていなかった「好み」を複数の「要素」から分析し、意外で斬新な提案をしてもらえたら、買い物ストレスを抱えている消費者にも、「新たな楽しさ」を感じられる買い物スタイルを提案できるはずです。

サービスの導入にあたっては、月額の利用料の面で競合他社との価格競争が起きたり、利用者の流出を防ぐための仕掛けを増やしたり、と検討しなければならないことも多くあります。月額料金を設定する場合は、ある程度固定の収入がある人々を対象とすることが前提となります。

しかし、これらの課題を解決していけば、サブスクリプション型のサービスは、今後さらに広がっていくことは間違いありません。

めまぐるしく変化する現代の市場における最新の動向にも、常にアンテナを張っていきたいですね。時代の流れを先取りしたサービスには、今後も目が離せません!

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