大手老舗アパレル企業凋落の原因!「構造不況」と「脱却への道筋」

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最近ニュースでもよく目にする大手老舗アパレル企業の凋落ぶりには、目を見張るものがありますね。直近で実際起こった事実と原因をまずは振り返りまとめてみました。

苦戦が続く大手老舗アパレル企業の実態

まずは、「バーバリー」とのライセンス契約が2015年に切れた三陽商会。その翌年の決算発表で大幅な下方修正を余儀なくされたことは記憶に新しいと思います。従来3億円の黒字予想が一気に95億円の過去最大の赤字となった三陽商会の株価は、それまで300円以上していたにもかかわらずに瞬く間に200円台に突入、現在では100円台の推移。

ワールドも大規模な売り場縮小や複数のブランド廃止を余儀なくされ、かろうじて利益は回復傾向にあるものの、それは早期退職者の人件費削減によるもので、決して本質的な改善とは言えない状況。何よりそのしわ寄せが、個々の仕事量を拡大させ、業務負荷が著しくかかっている模様。

投資ファンドに買収されたイトキンはブランドと売り場を大幅削減し経営立て直しの真っただ中。

レナウンは10年に中国繊維大手である山東如意科技集団の傘下に入り、こちらも現在、再建中。

存続の為、経営統合した東京スタイルとサンエー・インターナショナルも、同様に大規模な売り場縮小や複数のブランド廃止とリストラを余儀なくされている。

各社に共通する課題と悩み

09918652ee9a63731c71946ace348995一般的な解釈として老舗アパレルが軒並み苦境に陥っている事態は、高度成長期からの旧態依然な百貨店販路に依存したビジネスモデルに改革の手を染めずにきた結果、傷口が広がったと言われています。

又、テクにロジーの進化と人々の価値観変化は、市場とのギャップをますます広げています。
そんな状況でありながら、既存ビジネスの成功体験が今の変革を阻害する呪縛となってしまった事が共通する大きな要因となっています。

又、すでに正味期限切れのビジネス、変革期を迎えたビジネス。こうした課題を何とかしようと頭では理解しているもののどうやって手をつけていいのか立ち止まってしまっている感があります。

思考の枠から外へ飛び出す発想の重要性

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そんな厳しい市況にも関わらず、比較的新しく参入してきた企業はこれまでの常識にとらわれることなく、自由な発想でビジネスの裾野を広げてきている企業もあるわけです。なぜ、そんな状況が起こっているのか?

<こちらの要因は過去ブログを参照ください>

今求められる「ビジネスの裾野を広げる」その本質とは?

こうした変化に対応するためには、トップである経営者がそれを俊敏に捉えて適切なジャッジをする事が大切だとよく言われますが、実際には更なる「資質の向上」と「判断スピードの増強」が要求されつつあります。

現在が順調であっても一晩で瞬時に経済が変化してしまった「リーマンショック」のような事が起こる今の時代は、それに伴って顧客動向、消費行動も変化し、ひいてはブランドイメージまでをも変えてしまう変動リスクを秘めているといえます。

打開策を巡って同じ価値観を持つ者同士が解決策を見い出そうとしたとして、劇的な成長など見込めないでしょう。これができるのは、既存の組織、メンバーではなく、全く反対側にいるエンジニアだったり、グロースハッカーといった異色の経験を持つ人材の登用やアライアンスの価値を認め、シナジーやレバレッジを起こす可能性を見出さなくてはならないでしょう。

<過去ブログ参照>
アパレル業界に次世代ビジネスとして注目の「グロースハック」を導入する!?

又、それを実現させるには、明確なゴールイメージ、目標設定とそこに導く人材が必要です。やり方は違えど同じゴールを目指すのであれば、そのプロセスはいくらでも存在します。
想い、執念を持って、とにかく実行する勇気が必要です。

マーケティングの世界でよく使われる言葉として「消費者は製品を買うのではない、製品がもたらす恩恵を買うのである」というものがあります。

この行動原理は社会行動心理学でいうところの消費意欲に直結し「スノップ効果」といわれる他者との差異化願望や価値想像志向を生み出す元となっている心理状態です。

消費者は「その商品を買ったら自分にどんないいことがあるのか?」と常にそのメリットを考えていて、企業には単純にその「いいこと」を消費者のイメージと一致させることが求められています。購買行動の変化に合わせた顧客とのタッチポイントの拡大やビジネスのキャッシュポイントの拡大など、ビジネスの裾野を広げる新たな成長戦略を真剣に考えていく変革期に入っています。

各社が独自の成功モデルを打ち出し、実行する。それが何かというのは、各社の得意分野、配置している人材、経営者の思考、で大きく異なってきます。

ユニクロの柳井さん曰く「現状維持は後退だ!」確かにその通りの展開になりましたね。

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