「広告費が取れない?」ならアンバサダーを作ろう!

アンバサダー

購買心理を理解して、ビジネスに組み入れる。
同質化、価格競争からの脱却

「アパレル業界×デジタルマーケティング」というテーマで、定期的にブログを更新していこうと思います。お堅い専門書というよりはコーヒーを飲みながら読めるようなトーンで書いてきますので、ちょっとした空時間に読んでいただければ幸いです。

 さて突然ですが「アンバサダープログラム」という言葉をご存じですか?最近話題のマーケティング手法ですね。簡単に言うと、アンバサダーとは社外にいる商品・サービスのコアファンのことです。

気に入った商品やサービスを自発的にSNSに投稿し多くの友達や知人に広めてくれる人。 

アンバサダーの活用メリット

つい数年前まで、企業は商品をたくさんの人に買ってもらうために莫大な金額を広告に費やしていました。しかし今や「アンバサダー」を戦略的に活用する売上に直結するといっても過言ではありません。試しに考えてみましょう。

あなたは次のAとBどちらを見たときに、新作ドーナツを食べたいと思いますか?

A. 電車の中吊りで、名前も知らない有名人が新作ドーナツを笑顔でかじっている広告を見た時

B.TwitterやFacebookで、友人が仲間と共にお店で新作ドーナツを食べている写真を見た時 

おそらく多くの人がBを選ぶでしょう。SNSが日常に溶け込んでいる今、人は知っている誰かの体験に憧れて商品・サービスを求めるのです。今回の場合「新作ドーナツを食べたい」ではなく、「自分も仲間と新作ドーナツを食べたい」が欲求の本質になります。これで実際にお店に行って良い体験ができたら、あなたもそれを誰かに話したくなりますよね。こうして口コミの好循環が生まれていきます。

では、企業はどのようにアンバサダーを作り出せば良いのでしょう?もうお分かりかと思いますが、様々なメディアや有名人ブログを使って表面的な広告をするのではなく、確実なリーチが期待出来るアンバサダー戦略は費用対効果が抜群です。 

アパレル業界で活用されている事例

ここで事例を紹介します。アンバサダーと言ったらネスカフェアンバサダーを連想される方もいらっしゃると思います。しかしここは敢えてアパレル業界にフォーカスします。

アパレル業界でアンバサダープログラムを積極的に行っている企業といえば、「パタゴニア」です。パタゴニアアンバサダーは世界各国でパタゴニアのスポーツウェアを身につけて、様々なアクティビティにチャレンジしています。

 時に命の危険すら感じさせる冒険的なストーリーはWEBやカタログで公開されており、人々はアンバサダーの体験に憧れてパタゴニアの商品を買うのです。さらにパタゴニアは、デザイン改良のためにアンバサダー達の意見を積極的に取り入れています。

 購買行動の変化・背景

ここ数年で、人々は安さや便利さではなく「どのような体験を得られるか」で商品・サービスを購入するようになりました。パタゴニアの例で分かるように、アパレル業界こそ、アンバサダーの活用をもっと積極的にやるべきです。

「このブランド、この商品、すごくいいよ!」と友達に話したくなる熱狂的なファンを戦略的に囲い込む。「服を着たことによって生まれるストーリー」を想像させる画像を自社SNSで発信し、情緒に訴える手法も良いかもしれません。この手法は28万人フェイスブックファンを持つ土屋鞄製造所が実に参考になります。

最後に、ヒントは自分の中にあります。まずは、自分はどんな時に体験した商品・サービスを他人に話したくなるかを考えてみてください。

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