今後は「何を作るか」よりも「誰と組むか」の方がはるかに重要!!

今後は「何を作るか」

「多くの企業が陥る落とし穴。その商品は誰のために作ってるの?」

前回は「ユーザーイノベーション」による新たな商品開発手法について、その概念、課題、解決策を提言してきました。今回は「これからの時代の商品開発」をテーマにより、詳細に掘り下げてお伝えしていきます。ものが売れないと言われている今、どうしたら売れる商品を作れるのでしょう?

前提を疑う。前提を間違うから全てに影響する。

結論から言ってしまうと、答えはいたってシンプルです。「消費者のために商品をつくること」それ以上でもそれ以下でもありません。おそらく多くの方が「当たり前だろ、山口どうした?」と思われていることでしょう。しかし一度よく考えてみてください。 

あなたの会社は消費者のリアルな不満や希望をどれだけ把握していますか?

もし商品開発の根拠は、MDが作った円グラフなら危険です(意味分かりますよね)その方法は既に時代に合っていません。現代の消費者はモノだけではなく、モノを含んだストーリーを求めています。ただ機能性が高くデザインがかっこいいものを求める時代は終わりました。消費者はモノを購入することによってどんなストーリーを得られるかを知りたがっています。

では企業はどのようにストーリーを持ったモノを作り出していけばいいのでしょう?あまりピンときませんよね。この分かりにくい部分をもう少し噛み砕いて説明します。

全てを自分の頭で考えず、人の頭を利用する

一部の企業は社内リソースのみを使った従来の商品開発をやめ、消費者や周囲のステークホルダーを巻き込んだ商品開発を始めました。多様なニーズに応えるために作り手にも多様性を確保することは、斬新かつ理にかなった方法です。

新しい商品開発では、消費者がどのような生活を送り何に不満を持っていて、どんなストーリーを求めているのかを、本質的なレベルまで探っていきます。そうして作り出すべきモノの形を一緒に模索していくのです。「共創」(Co-creation)とも呼ばれています。

では、具体的に何をしたらいいのか?

もしかすると、読者の中にはこの方法を「コントロールしづらい」「金銭的にも中小企業には難しい」と感じる方も多いかもしれません。しかし実際は、部門同士の距離が近く事業の方向転換をしやすい中小企業の方が共創への適応度が高いのです。
まずは社内体制を整えることから始めましょう。例えば、部門や職種ごとの暗黙知をできる限り言語化・ビジュアル化し、社内の共有財産にすると良いかもしれません。

また多様性を社内の人間に求めるだけではなく、社員一人ひとりが社外との接点を持ち多様な視点を自らに取り込むことも重要です。

最後にもう一度言います。アパレル業界の未来は、いかに「消費者の本質的な欲求を理解して商品をつくる」を追求できるかにかかっています。消費者の多様なニーズを商品開発の過程に取り込んでいく中で、もはや社内、社外、消費社の線引きは、
時代と共に無くなっていくでしょう。
今後は「何を作るか」以上に「誰と組むか」の方がはるかに重要なってきます。

<関連BLOG>

「売れる商品をつくりたければ、消費者を巻き込む仕組みを創ろう!」
「消費者は良い商品ではなく、良い体験を求めている」
「サービスデザイン」という新たな価値の創り方
「広告費が取れない?」ならアンバサダーを作ろう!

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

その他のブログ

More